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メタプログラムとは?思考のクセから強みを知る

メタプログラムとは、情報の受け取り方や判断の仕方に表れる「思考のクセ」のこと。目的志向と問題回避、内的基準と外的基準など代表的な6つの種類、強みへの活かし方、人間関係のすれ違いのほどき方、根拠の限界まで紹介します。

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この記事の結論

メタプログラムとは、NLPで使われる言葉で、人が情報を受け取り、判断し、動くときに無意識に使っている「思考のクセ」のことです。性格のように固定したものではなく、場面によって変わります。自分のクセを知ると、強みの理解や、人とのすれ違いをほどく手がかりになります。

  • メタプログラムは、何を考えるかではなく「どう考えるか」のクセ
  • どちらの傾向にも強みがある。場面によってクセが変わるのも自然なこと
  • 科学的な裏づけは限られる。人を決めつけず、仮説として使う
目次 Contents
  1. メタプログラムとは? 一言でいうと
  2. 代表的な6つのメタプログラム
  3. メタプログラムから、自分の強みを知る
  4. 人とのすれ違いを、クセの違いとしてほどく
  5. 自分のメタプログラムを知るワーク
  6. 根拠と限界:メタプログラムとの上手な付き合い方
  7. クセは、直すより活かす

同じ説明を聞いても、すぐに「で、結論は?」と聞く人もいれば、「具体的にはどういうこと?」と細部を確かめたがる人もいます。旅行の計画を立てるのが楽しい人もいれば、行き当たりばったりのほうがわくわくする人もいる。

こうした違いにぶつかると、「あの人とは合わない」「自分はどうしてこうなんだろう」と悩むことがあります。けれど多くの場合、それは能力や性格の良し悪しではなく、情報の受け取り方の「クセ」の違いです。

NLP(神経言語プログラミング。優れた心理療法家の観察から生まれたコミュニケーションと自己変容の手法)では、このクセを「メタプログラム」と呼びます。

この記事では、メタプログラムの意味と代表的な6つの種類を紹介します。そのうえで、自分のクセを強みとして活かす方法と、人とのすれ違いをほどくヒントを紹介します。科学的な裏づけがどこまであるのかも、正直にお伝えします。

メタプログラムとは? 一言でいうと

メタプログラムとは、**人が情報を受け取り、判断し、動くときに、無意識に使っている「思考のクセ」**のことです。

「メタ」は「一段上の」、「プログラム」は「手順」という意味です。何を考えるかという中身ではなく、どう考えるかという「考え方の型」を指しています。

たとえば、転職を考えている二人がいるとします。一人は「新しい仕事で何を実現したいか」から考えはじめます。もう一人は「今の職場の何から離れたいか」から考えはじめます。考えている中身は同じ転職でも、出発点のクセが違うのです。

性格診断との違い:場面によって変わる「クセ」

メタプログラムは、性格診断のように「あなたは〇〇タイプ」と決めるためのものではありません。同じ人でも、場面によって表れ方が変わります。

仕事では細部まで確認する人が、休日の旅行では大まかな計画しか立てない。これは珍しいことではありません。心理学者のミシェルらも、人の行動は「この状況ではこうする」という形で、状況とセットでとらえるほうが一貫性が見えやすいと論じました(Mischel & Shoda, 1995)。

メタプログラムも、「どんな場面で、どちら寄りになるか」を見るのがコツです。

代表的な6つのメタプログラム

メタプログラムには数十種類があるといわれますが、ここでは日常で見分けやすい6つを紹介します。どれも、どちらが良い悪いではありません。多くの人は、両方の間のどこかにいます。

種類一方の傾向もう一方の傾向
方向性目的志向:得たいものに向かう問題回避:避けたいことから離れる
判断基準内的基準:自分の感覚で判断する外的基準:人の意見や数字で判断する
選択の理由オプション:可能性や選択肢を広げたいプロセス:決まった手順で進めたい
違いへの反応同一性:変わらないことに安心する相違:変化や新しさを求める
情報の大きさ全体:まず大枠をつかみたい詳細:具体的な中身を知りたい
行動のきっかけ主体行動:まず動いてみる反映分析:よく考えてから動く

方向性:目的志向と問題回避

目的志向の人は、「何を得たいか」に目が向きます。問題回避の人は、「何を避けたいか」に目が向きます。

「この資格を取ったら、何ができるようになる?」にやる気が出る人もいれば、「取らないと、どんな困ったことになる?」のほうが動ける人もいます。心理学でも、何かに近づこうとする動機と、何かを避けようとする動機は、区別して研究されてきました(Elliot, 2006; Higgins, 1997)。

判断基準:内的基準と外的基準

内的基準の人は、「自分がよいと思うか」で判断します。外的基準の人は、人からの評価や数字、前例をもとに判断します。

内的基準の強い人は、人にほめられてもピンとこないことがあります。外的基準の強い人は、反応がないと不安になりやすい面があります。自分がどちら寄りかを知っておくと、評価に振り回されすぎずにすみます。

選択の理由:オプションとプロセス

オプションの人は、選択肢や可能性が広がることに魅力を感じます。決まった手順を渡されると、「もっといいやり方があるのでは」と考えはじめます。

プロセスの人は、順番が決まっていると安心して進められます。選択肢が多すぎると、かえって動きにくくなることがあります。

違いへの反応:同一性と相違

同一性の人は、前と同じであることに安心します。相違の人は、変化や新しさに惹かれ、同じ状態が続くと退屈しやすい傾向があります。

その間には、「基本は同じで、少しずつ良くなる」ことを好む人も多くいます。

情報の大きさ:全体と詳細

全体の人は、まず大枠や目的を知りたがります。細かい説明から始まると、「結局、何の話?」と感じます。

詳細の人は、具体的な数字や手順がないと落ち着きません。大きな話だけをされると、「で、実際にはどうするの?」と感じます。考えを大きく見たり細かく見たりする技術は、チャンクダウンとは?考えを整理する技術でも紹介しています。

行動のきっかけ:主体行動と反映分析

主体行動の人は、まず動いてから考えます。反映分析の人は、状況をよく見て、考えてから動きます。

前者は機会を逃さない一方で、準備不足になりがちです。後者は失敗が少ない一方で、動き出すまでに時間がかかることがあります。

メタプログラムから、自分の強みを知る

メタプログラムのおもしろいところは、どちらの傾向にも、裏返すと強みがあることです。自分では短所だと思っていたクセが、別の場面では頼りにされる力になります。

「心配性」は、問題回避の強みと見ることもできます。起こりうるトラブルに先回りして気づける人は、チームのリスク管理に欠かせません。「優柔不断」に見えるオプション型の人は、誰も考えなかった選択肢を見つけることがあります。

クセ短所に見えるとき強みとして活きるとき
問題回避心配しすぎるトラブルを未然に防ぐ
外的基準人の目が気になる相手の反応に敏感で、気配りができる
オプション決められない新しいやり方を思いつく
同一性変化をいやがる安定した品質を保てる
詳細細かすぎるミスや抜けに気づける
反映分析腰が重い慎重に判断できる

この表は、研究にもとづく対応ではなく、ふり返りのための目安です。自分のクセを、表の右側の言葉で言い直してみてください。強みの見つけ方をもっと知りたい人は、強みの見つけ方|資質と才能を言葉にするも参考になります。

人とのすれ違いを、クセの違いとしてほどく

人とのすれ違いの多くは、意見の違いではなく、クセの違いから生まれています。そう気づくだけで、相手を責める気持ちが少しやわらぎます。

家庭でも同じことが起きます。旅行の計画で、一人は宿も行き先も早めに決めて安心したい。もう一人は、現地で気分に合わせて選びたい。前者はプロセス寄り、後者はオプション寄りです。「宿と帰りの電車だけは決めて、昼間は自由にする」といった形なら、どちらのクセも満たせるかもしれません。

すれ違いに気づいたら、相手のクセに合わせて伝え方を少し変えてみます。詳細型の人には、具体的な数字や手順を添える。全体型の人には、まず結論や目的から話す。目的志向の人には「こうすると何が得られるか」を、問題回避の人には「何を防げるか」を伝える、といった具合です。

相手の話し方や調子に合わせることは、ペーシングとは?相手に合わせて心を通わせるでも紹介しています。メタプログラムは、相手の「考え方のペース」に合わせるための地図ともいえます。

自分のメタプログラムを知るワーク

自分のクセは、ふだん使っている言葉に表れます。次の問いに、思いつくまま答えてみてください。

答えの読み方の目安を紹介します。2で「〜できる」「〜が手に入る」が多ければ目的志向寄り、「〜しなくてすむ」「〜を避けられる」が多ければ問題回避寄りです。3で「自分でわかる」なら内的基準寄り、「評価や数字で」なら外的基準寄りです。

4で「ほかにもいろいろな可能性があったから」なら、オプション寄りです。「こういう経緯で、この順番で決まった」と流れを語るなら、プロセス寄りです。5で「同じ」を多く挙げるか、「違い」を多く挙げるかも手がかりになります。

この読み方は、NLPの実践家が使ってきた目安で、厳密な測定ではありません。答えが場面によって変わるのも、自然なことです。

根拠と限界:メタプログラムとの上手な付き合い方

メタプログラムは、1970年代後半からNLPの中で整理されてきた考え方です。原型をつくったのは、NLPの実践家レスリー・キャメロン=バンドラーらです。のちにロジャー・ベイリーやシェリー・ローズ・シャルヴェが、言葉からクセを読みとる方法としてまとめました。NLPそのものについては、NLPとは?神経言語プログラミングの基本と活かし方をどうぞ。

ただし、メタプログラムは、心理学の性格検査のように十分に検証されたものではありません。一部の考え方は、「近づく動機と避ける動機」の研究のように、心理学の知見と重なります。しかし、分類の全体が実証されているわけではないのです。

ですから、使い方には気をつけたいところです。人を「あの人は外的基準だから」と決めつけるために使うと、相手を狭い箱に押しこめることになります。自分についても、「私はプロセス型だから新しいことは無理」と、言い訳に使わないようにしたいものです。

メタプログラムは、自分や相手を理解するための「仮説」として使うのがいちばんです。当たっていると感じたら活かし、違うと感じたら手放す。そのくらいの軽さが、ちょうどいい付き合い方です。

クセは、直すより活かす

思考のクセは、あなたがこれまでの経験の中で身につけてきた、あなたなりの世界の見方です。直すべき欠点ではありません。

ただ、クセを知らないまま過ごすと、合わない場面でも同じやり方をくり返してしまいます。自分のクセを知っていれば、得意な場面では思いきり活かせます。苦手な場面では、反対側の視点を少しだけ借りることもできます。

今日、誰かとかみ合わない瞬間があったら、「これはクセの違いかもしれない」と考えてみてください。相手を責める前に、ひと呼吸おける。それだけで、人との関係は少しずつ楽になっていきます。自分が大切にしている判断の基準を言葉にしたい人は、価値観の見つけ方|大切なものを言葉にするワークもあわせてどうぞ。

A question for you

あなたへの問い

仕事を「よくできた」と判断するとき、あなたは何を基準にしていますか?

このメモは、あなたのブラウザの中だけに保存されます。誰にも送信されません。

よくある質問

メタプログラムは何種類ありますか?

決まった数はありません。数十種類を挙げる本もあれば、実務でよく使うものを十数種類に絞った整理もあります。最初は、この記事で紹介した6つのように、自分や身近な人に当てはめやすいものから見ていくのがおすすめです。

メタプログラムの診断は信頼できますか?

メタプログラムを測る質問票やワークはありますが、心理学の性格検査ほど十分に検証されてはいません。結果は「今の自分の傾向を考えるヒント」として受け取ってください。気になった結果は、実際の場面を思い出して確かめてみると役立ちます。

メタプログラムは変えられますか?

場面によって表れ方が変わるため、意識すれば反対側の動き方を選ぶこともできます。ただ、無理に変える必要はありません。今のクセを強みとして活かしつつ、苦手な場面だけ反対側の視点を借りる、という付き合い方が現実的です。

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References

  • Charvet, S. R. (1997). Words That Change Minds: Mastering the Language of Influence (2nd ed.). Kendall/Hunt.
  • Hall, L. M., & Bodenhamer, B. G. (1997). Figuring Out People: Design Engineering with Meta-Programs. Crown House Publishing.
  • Mischel, W., & Shoda, Y. (1995). A cognitive-affective system theory of personality: Reconceptualizing situations, dispositions, dynamics, and invariance in personality structure. Psychological Review, 102(2), 246–268.
  • Elliot, A. J. (2006). The hierarchical model of approach-avoidance motivation. Motivation and Emotion, 30(2), 111–116.
  • Higgins, E. T. (1997). Beyond pleasure and pain. American Psychologist, 52(12), 1280–1300.

本当の人生を生きる 編集部

コーチング・NLP・心理学の書籍や研究をもとに、自分を知るための知恵を、やさしい言葉でお届けしています。記事は編集方針に沿って作成し、定期的に見直しています。