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強みの見つけ方資質と才能を言葉にする

強みの見つけ方を、当たり前にできてしまうこと・没頭体験・人からの言葉の3方向から紹介。資質・才能・スキルの違い、強みがわからなくなる理由、「得意だけど疲れること」の見分け方、強みを一文で言葉にするワークまでまとめました。

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この記事の結論

強みとは、あなたが自然にくり返している考え方や行動のパターン(資質)に、経験や技術が加わって、安定して力を発揮できるようになったものです。見つけるには、当たり前にできてしまうこと、時間を忘れた体験、人によく頼まれることをたどるのが近道です。

  • 強みは「すごいこと」ではなく、当たり前にできてしまうことに隠れている
  • 没頭した体験と、人からの言葉が、強みを見つける二つの手がかりになる
  • 得意でも疲れることは強みとは限らない。エネルギーが湧くかも確かめる
目次 Contents
  1. 強みとは? 資質・才能・スキルの違い
  2. 強みがわからなくなる3つの理由
  3. 強みを見つける5つの方法
  4. 「得意だけど疲れること」は強み?
  5. 見つけた強みを、一文の言葉にする
  6. 強みを使うと、何が変わる?
  7. 強みは、もう毎日使っている

「あなたの強みは何ですか」。面接やキャリア面談でそう聞かれて、言葉に詰まったことはありませんか。資格も特技も、胸を張れるほどのものはない。人と比べると、自分には何もないように思えてくる。

けれど、強みが見つからないのは、強みがないからではありません。多くの場合、強みは「当たり前にできてしまうこと」の中に隠れています。あまりに自然にできるので、自分では特別なことだと気づけないのです。

この記事では、まず強みとは何かを、資質・才能・スキルとの違いから整理します。そのうえで、強みを見つける5つの方法と、見つけた強みを一文の言葉にするワークを紹介します。「得意だけど、なぜか疲れること」の見分け方も扱います。

強みとは? 資質・才能・スキルの違い

強みとは、あなたが自然にくり返している考え方や行動のパターンに、経験や技術が加わったものです。つまり、安定して力を発揮できる、あなたならではの持ち味です。

強みにまつわる言葉は、似ているようで少しずつ意味が違います。この記事では、次のように使い分けます。

言葉意味例
資質・才能自然にくり返し表れる、考え方・感じ方・行動のパターン人の気持ちの変化に気づきやすい
知識・スキル学んだり練習したりして身につけたものカウンセリングの技法、語学
強み資質に知識やスキルが加わり、安定して力を発揮できる状態相談に来た人を、安心させながら話を整理できる
長所人柄の良い面をまとめて呼ぶ言葉優しい、まじめ

強みの研究で知られるアメリカの調査会社ギャラップは、人が自然にくり返す思考や感情、行動のパターンを「才能」と呼びました。日本語版の診断では「資質」と訳されています。そして、才能に知識や技能、練習という「投資」をかけ合わせることで、強みになると説明しています。

つまり、資質は種のようなものです。種がなければ花は咲きませんが、種だけでも花は咲きません。この記事で探すのは、まずその種です。コーチングでは、こうした内側の持ち味や経験を「リソース(資源)」と呼ぶこともあります。

強みがわからなくなる3つの理由

1. 当たり前すぎて、見えない

人は、自分ができることは、ほかの人もできるだろうと考えがちです。心理学では、自分の考えや行動を「みんなも同じだろう」と思いやすい傾向が知られています(Ross ら, 1977)。

段取りを組むのが得意な人にとって、段取りは「誰でもやっていること」です。初対面の人ともすぐ打ち解けられる人は、それが難しい人の気持ちがわかりません。自分にとって簡単なことほど、強みの候補から外れてしまうのです。

2. 「すごいこと」でないと、強みと思えない

強みというと、表彰されるような成果や、人に誇れる特技を思い浮かべるかもしれません。でも、強みはもっと日常的なものです。

「待ち合わせに遅れない」「話を最後まで聞ける」「冷蔵庫の残り物で一品つくれる」。地味に見えることの奥に、計画性や傾聴、工夫する力が隠れています。

3. 短所の裏側に、隠れている

「心配性」「こだわりが強い」「おせっかい」。自分では短所だと思っていることが、実は強みの裏返しであることは少なくありません。

心配性の人は、リスクに先回りして気づけます。こだわりが強い人は、品質に妥協しません。短所だけを見つめていると、その裏にある力が見えなくなります。

強みを見つける5つの方法

ここからは、強みの種を見つける方法を紹介します。一つでもかまいません。いくつか組み合わせると、共通して浮かび上がるものが見えてきます。

方法1:当たり前にできてしまうことを書き出す

このワークは、自己分析の入り口としても使えます。ほかのやり方も試したい人は、自己分析のやり方|一人でできるワーク7選をどうぞ。

3つめの「うまく説明できないこと」は、とくに大切な手がかりです。自然にできていることほど、やり方を意識していないので、言葉にしにくいのです。

方法2:時間を忘れた体験をたどる

時間を忘れて何かに打ちこんだ経験を、思い出してみてください。子どものころの遊び、学生時代の部活、仕事のある一場面。小さなものでかまいません。

心理学者のチクセントミハイは、人が活動に深く没頭し、時間の感覚を失うような状態を「フロー」と呼びました。フローは、自分の力と課題の難しさがつり合っているときに起きやすいとされます。没頭した体験には、あなたの力が自然に発揮されていた手がかりがあります。

思い出したら、「そのとき、具体的に何をしていた?」と細かく分けてみてください。「文化祭の準備に夢中だった」なら、装飾を作っていたのか、人に役割を割りふっていたのか。夢中になっていた「動き」に、資質が表れます。

方法3:人に聞く

自分の強みは、自分より人のほうがよく見えていることがあります。組織行動学の研究者たちは、「リフレクテッド・ベストセルフ」という方法を提案しました(Roberts ら, 2005)。

身近な人に、「私がいちばん力を発揮していたと思う場面」を、具体的なエピソードで教えてもらう方法です。何人かから集めたエピソードに共通するものを探すと、自分では気づかなかった強みが浮かび上がります。

メッセージで頼むなら、たとえば次のような文面が使えます。「今、自分の強みを考えていて、協力してもらえるとうれしいです。私が力を発揮していたなと思う場面があれば、一つだけ教えてください」。理由を添えて、答えやすい量に絞るのがコツです。

頼むのが照れくさいなら、「私って、どんなことで頼りにされてると思う?」と気軽に聞くだけでもかまいません。自分と人の見え方の違いを整理する方法は、ジョハリの窓とは?4つの窓でする自己分析で紹介しています。

方法4:短所を裏返す

自分の短所だと思っていることを3つ書き出し、それぞれ「これが役に立つ場面は?」と問いかけてみてください。

短所に見えること裏返すと活きる場面
心配性リスクに先回りして気づける計画づくり、安全管理
飽きっぽい新しいことに飛びこめる立ち上げ、企画
頑固信念を貫ける品質を守る仕事
人の顔色をうかがう相手の変化に敏感接客、調整役

この表は、ふり返りのための目安です。考え方や判断のクセから強みを知る方法は、メタプログラムとは?思考のクセから強みを知るでも詳しく扱っています。

方法5:診断ツールを「仮説」として使う

強みを知るための診断ツールもあります。代表的なのは、ギャラップ社の「クリフトンストレングス」と、ポジティブ心理学から生まれた「VIA-IS」です。

VIA-ISは、心理学者のピーターソンとセリグマンが整理した、24の「人格的な強み」をもとにしています。好奇心、親切、公平さ、ユーモアなどです。VIA Institute on Characterの公式サイトでは、無料で回答できます。

どの診断も、結果は答えではなく「仮説」として受け取ってください。結果の言葉を見て、「たしかに」と思える体験を一つ思い出せたら、それはあなたの強みとして使える言葉です。

「得意だけど疲れること」は強み?

人から評価されているのに、やるたびにぐったり疲れることはありませんか。たとえば、会議の進行をよく任されるけれど、終わるとどっと消耗する。

イギリスの心理学者リンリーは、強みを考えるときに、「うまくできるか」だけでなく「やっていてエネルギーが湧くか」も見ることを提案しました。うまくできるのにエネルギーを奪われるものは「学習された行動」と呼ばれます。必要に迫られて身につけたけれど、自分の資質からは少し離れている可能性があるのです。

逆に、まだうまくできないけれど、やっているとわくわくすることもあります。それは、まだ十分に使われていない強みの種かもしれません。

見分けるには、やったあとの自分に聞いてみるのが簡単です。「疲れたけれど、心地よい疲れか」「もう一度やりたいと思うか」。体の感覚は、頭の評価よりも正直なことがあります。

見つけた強みを、一文の言葉にする

強みの種が見えてきたら、自分の言葉にしておきましょう。面接やキャリアの相談でも、言葉にしてあると自信をもって話せます。

たとえば、「私は、先を読んで段取りを組むことで、チームが締め切り前に慌てずにすむようにできる人です」。言葉にしてみると、自分の強みがどこで役立つのかも見えてきます。この一文は、仕事選びの軸にもなります。天職の見つけ方|好き・得意・価値観から探すも参考にしてみてください。

強みを使うと、何が変わる?

強みを意識して使うことは、心の健康にもつながると考えられています。セリグマンらの研究(2005)では、自分の上位の強みを、毎日新しい方法で1週間使ってもらいました。すると、幸福感が高まり、落ちこみの度合いが下がる傾向が、半年後まで続いたと報告されています。

ただし、その後の追試も行われています。落ちこみの軽減については、比較のために行った別のワークとの差がはっきりしなかったという報告です(Mongrain & Anselmo-Matthews, 2012)。「強みを使えば幸せになれる」と言い切ることはできません。

強みも、使いすぎると裏目に出る

強みには、もう一つ知っておきたい面があります。どんな強みも、使いすぎると短所のように働くことがあるのです。

段取りを組むのが得意な人は、予定外のことが起きるといら立ちやすくなります。人の気持ちに敏感な人は、気をつかいすぎて疲れてしまいます。強みが裏目に出ていると感じたら、強みを捨てるのではなく、使う量や場面を調整してみてください。「今は、この強みを少し休ませよう」と選べるようになると、強みはもっと扱いやすくなります。

強みは、立ち返る場所になる

そして、自分の強みを知ることには、もう一つの価値があります。うまくいかないときに、「自分には何もない」ではなく、「自分にはこれがある」と立ち返れる場所ができるのです。自分の力を信じる感覚については、エフィカシー(自己効力感)とは?高める方法で詳しく扱っています。

強みは、もう毎日使っている

強みは、これから探し当てる宝物ではありません。あなたがすでに毎日使っている力に、名前をつけることです。

今日一日の中で、「これは楽にできたな」「これは頼まれてうれしかったな」と思う瞬間があったら、メモしておいてください。それが、明日の強みの言葉になります。

一つ見つかったら、次はそれを少しだけ意識して使ってみる。いつもより少し丁寧に、少し大きな場面で。種は、使うほどに育っていきます。

A question for you

あなたへの問い

人からよく頼まれるけれど、自分では簡単だと思っていることは?

このメモは、あなたのブラウザの中だけに保存されます。誰にも送信されません。

よくある質問

強みと長所は、何が違いますか?

長所は「優しい」「まじめ」のような、人柄の良い面を指すことが多い言葉です。強みは、それが具体的な場面で力として発揮されている状態を指します。「優しい」という長所が、「相手の不安に気づいて先回りして声をかけられる」という形で表れたとき、それは強みとして使えるものになります。

強みの診断ツールは、受けたほうがいいですか?

受けてみる価値はあります。ただ、結果は答えではなく仮説として受け取ってください。結果に出た言葉を、実際の体験と照らし合わせて「たしかにそうだ」と思える場面があるかを確かめると、自分の言葉で強みを語れるようになります。

強みが一つも見つからない気がします。

強みが見つからないのは、強みがないからではなく、当たり前すぎて見えていないことが多いからです。人から「ありがとう」と言われた場面や、気づいたら時間がたっていた場面を、小さなものから書き出してみてください。身近な人に聞くのも、近道になります。

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    時間を忘れて没頭する「フロー」体験を研究したチクセントミハイの代表作です。自分が夢中になれる活動を考える手がかりになります(学術的な内容でやや読み応えがあります)。

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References

  • Buckingham, M., & Clifton, D. O. (2001). Now, Discover Your Strengths. Free Press.
  • Peterson, C., & Seligman, M. E. P. (2004). Character Strengths and Virtues: A Handbook and Classification. Oxford University Press / American Psychological Association.
  • Seligman, M. E. P., Steen, T. A., Park, N., & Peterson, C. (2005). Positive psychology progress: Empirical validation of interventions. American Psychologist, 60(5), 410–421.
  • Mongrain, M., & Anselmo-Matthews, T. (2012). Do positive psychology exercises work? A replication of Seligman et al. (2005). Journal of Clinical Psychology, 68(4), 382–389.
  • Roberts, L. M., Dutton, J. E., Spreitzer, G. M., Heaphy, E. D., & Quinn, R. E. (2005). Composing the reflected best-self portrait: Building pathways for becoming extraordinary in work organizations. Academy of Management Review, 30(4), 712–736.
  • Linley, A. (2008). Average to A+: Realising Strengths in Yourself and Others. CAPP Press.
  • Ross, L., Greene, D., & House, P. (1977). The "false consensus effect": An egocentric bias in social perception and attribution processes. Journal of Experimental Social Psychology, 13(3), 279–301.
  • Csikszentmihalyi, M. (1990). Flow: The Psychology of Optimal Experience. Harper & Row.
  • VIA Institute on Character 公式サイト

本当の人生を生きる 編集部

コーチング・NLP・心理学の書籍や研究をもとに、自分を知るための知恵を、やさしい言葉でお届けしています。記事は編集方針に沿って作成し、定期的に見直しています。