Glossary
コーチング・NLP用語辞典
本やセミナーで出会った、ちょっと気になる言葉を引くための辞典です。くわしい記事があるものは、そちらへもご案内します。全136語。
あ
アイ・アクセシング・キュー あいあくせしんぐきゅー Eye accessing cues
アイ・アクセシング・キューとは、目の動きの方向から、その人が映像・音・体の感覚のどれを思い浮かべているかがわかる、とするNLPの考え方です。ただし研究ではこの対応関係は確かめられておらず、うそを見抜く方法としても支持されていません。
アイゼンハワー・マトリクス あいぜんはわーまとりくす Eisenhower matrix
アイゼンハワー・マトリクスとは、やるべきことを「緊急かどうか」と「重要かどうか」の2つの軸で4つに分け、優先順位を決める方法です。アメリカ大統領アイゼンハワーの言葉にちなんで名づけられました。緊急ではないが重要なことに時間を使う意味に気づかせてくれます。
アイデンティティ あいでんてぃてぃ Identity
アイデンティティとは、「私は何者か」という問いに対する、自分なりの感覚や答えのことです。心理学者エリクソンが青年期の課題として論じた概念で、役割や環境が変わっても「自分は自分だ」と感じられる一貫性を指します。人生の節目で揺らぎ、問い直されるものです。
アイメッセージ あいめっせーじ I-message
アイメッセージとは、「私は〜と感じる」と、自分を主語にして気持ちや考えを伝える話し方です。相手を主語にする「ユーメッセージ」に比べて責める響きが少なく、受け止めてもらいやすくなります。心理学者トマス・ゴードンが親業訓練の中で広めました。
アサーティブ あさーてぃぶ Assertiveness
アサーティブとは、自分も相手も大切にしながら、自分の気持ちや考えを率直に、その場にふさわしい形で伝える姿勢のことです。攻撃するのでも我慢して黙るのでもない、第三の道とされます。状況・気持ち・提案・選択の順に伝える「DESC法」が知られています。
アズイフ・フレーム あずいふふれーむ As-if frame
アズイフ・フレームとは、「もしも〜だとしたら」と仮定して考えることで、思い込みの制約を一時的に外し、新しい可能性を探る問いかけの枠組みです。「もし失敗しないとわかっていたら、何をする?」のように使います。NLPのフレームの一つとして知られます。
アソシエイト/ディソシエイト あそしえいとでぃそしえいと Association / Dissociation
アソシエイトとは、ある体験を自分の目で見ているように、その中に入って感じることです。ディソシエイトとは、その場面を外から眺めるように、自分を含めて客観的に見ることです。NLPでは、感情との距離を調整する方法として使い分けます。
アップタイム/ダウンタイム あっぷたいむだうんたいむ Uptime / Downtime
アップタイムとは、注意が外の世界に向き、目の前のものを五感でとらえている状態です。ダウンタイムとは、注意が内側に向き、記憶や想像、考えごとに入っている状態を指します。たとえば会話中に「次に何を言おう」と考え込み、相手の話を聞き逃すのはダウンタイムに入っている状態です。どちらが良い悪いではなく、内省にはダウンタイムが、人との対話にはアップタイムが向いています。今どちらにいるかに気づき、切り替えられることが助けになります。
アファメーション あふぁめーしょん Affirmation
アファメーションとは、望む自分や目標を、肯定的な言葉で自分に語りかけることです。現在形で書く、などの作り方が紹介されます。ただし研究では、自己評価が低い人が現実離れした肯定文を唱えると、かえって気分が下がる場合があることも報告されています。
アプリオリ あぷりおり A priori
アプリオリとは、哲学の用語で、経験に先立って成り立つ知識や認識のことです。反対に、経験によって得られる知識は「アポステリオリ」と呼ばれ、カントの哲学で重要な区別として知られます。コーチングの文脈では意味を広げて、「経験する前から当然だと思い込んでいる前提」を指して使われることがあります。たとえば「普通は30歳までに安定すべき」と疑わずにいる考えです。なお、「数学の定理でアプリオリは存在しないと証明された」という説明は、定理の内容を拡大解釈したものなので注意が必要です。
争いフレーム あらそいふれーむ Competitive frame
争いフレームとは、物事を勝ち負けや敵・味方でとらえる見方の枠組みです。たとえば、同僚がほめられると自分が負けたように感じる、意見の違いを「どちらが正しいか」の勝負にしてしまう、といった状態です。この見方にいると、他人と比べて消耗しやすくなります。抜け出す第一歩は、「相手と私が共通して望んでいることは何か」と問い直すことです。協力や学び合いの枠組みで見直すと、本当に自分が欲しかったものが見えてくることがあります。
アンカリング あんかりんぐ Anchoring
アンカリングとは、NLPで、特定のしぐさや言葉などの合図(アンカー)と感情の状態を結びつけ、合図でその状態を呼び出しやすくする技法です。条件づけの考え方に近いものです。行動経済学でいう「アンカリング効果」とは別の意味の言葉です。
アンラーニング あんらーにんぐ Unlearning
アンラーニングとは、これまで身につけた知識ややり方、考え方のうち、今の自分に合わなくなったものを意識的に見直し、手放して学び直すことです。「学習棄却」とも訳されます。過去を否定するのではなく、新しく学ぶための余白をつくる営みです。
一次変化/二次変化 いちじへんかにじへんか First-order / second-order change
一次変化とは、今の枠組みやルールはそのままで、やり方を変えることです。二次変化とは、枠組みやルールそのものが変わることを指します。ワツラウィックらが1974年の著書『Change』で示した区別として知られます。たとえば眠れない夜に、数える羊の数を増やすのは一次変化です。「早く眠らなければ」という前提そのものを手放すのは、二次変化にあたります。努力を重ねても同じ悩みがくり返されるときは、やり方ではなく前提を問い直す時期なのかもしれません。
一般化 いっぱんか Generalization
一般化とは、限られた経験から、それがいつでもどこでも当てはまるルールとして広げてとらえることです。メタモデルでは、省略・歪曲と並ぶ3つの働きの一つとされます。一度開け方を覚えれば初めてのドアも開けられるように、一般化は学習に欠かせない働きです。一方で「一度失敗したから、自分は人前に向いていない」のように、可能性を狭める思い込み(ビリーフ)にもなります。「いつもそうだった?」「例外はなかった?」と問うと、縛りがゆるみます。
因果の歪曲 いんがのわいきょく Cause-effect
因果の歪曲とは、「あなたのせいでイライラする」「雨だからやる気が出ない」のように、ある出来事が自分の気持ちや行動を直接決めているととらえる表現です。メタモデルでは歪曲の一つとして扱われます。「どのようにして、それがそうさせるの?」と問うと、出来事と反応のあいだに自分の受け止め方がはさまっていることに気づけます。ただし、相手の言動が実際に影響している場合も多く、すべてを自分の責任として引き受けるという話ではありません。選べる反応を広げるための問いです。
インストレーション いんすとれーしょん Installation
インストレーションとは、NLPで、新しい考え方や行動の手順を、練習やイメージの中でのリハーサルを通して、自然にできるようになるまで身につけることです。たとえば人前で話す前に、落ち着いていた時の感覚を思い出し、話している自分をくり返し思い描いて準備する、といった方法です。「無意識に植え付ける」と説明されることもありますが、実際には本人が望み、くり返し練習することで定着していく学習の過程です。小さな習慣づくりと同じく、一度で変わるものではありません。
インナーゲーム いんなーげーむ Inner game
インナーゲームとは、ティモシー・ガルウェイが1974年の著書『The Inner Game of Tennis』で示した考え方です。相手と戦う「外側のゲーム」に対し、自分の中の不安や雑念と向き合う「内側のゲーム」があるとし、コーチングの原点の一つとされています。
ウェルフォームド・アウトカム うぇるふぉーむどあうとかむ Well-formed outcome
ウェルフォームド・アウトカムとは、NLPで、実現に向けて整えられた目標の条件のことです。肯定的な言葉で表す、自分で始めて続けられる、達成した様子が五感で具体的にわかる、周りへの影響を確かめる、などの条件で目標を点検します。
エコロジーチェック えころじーちぇっく Ecology check
エコロジーチェックとは、NLPで、目標や変化が自分の生活全体や周りの人、将来に与える影響を確かめることです。「それが叶ったら、失うものはないか」「本当に自分が望んでいるか」を点検し、無理のない目標に整えるために使います。
X理論・Y理論 えっくすりろんわいりろん McGregor's Theory X and Theory Y
X理論・Y理論とは、アメリカの経営学者ダグラス・マグレガーが1960年の著書『企業の人間的側面』で示した、人の働く意欲についての2つの見方です。X理論は「人は本来仕事が嫌いで、命令や管理がないと働かない」とする見方、Y理論は「人は条件が整えば自ら目標に向かい、責任も引き受ける」とする見方です。どちらを前提にするかで、人への関わり方が変わります。自分自身に対しても、厳しく管理しないと怠けると考えるか、条件が整えば動けると考えるかで、付き合い方は変わってきます。
NLP(神経言語プログラミング) えぬえるぴー Neuro-Linguistic Programming
NLP(神経言語プログラミング)とは、1970年代にリチャード・バンドラーとジョン・グリンダーが始めた、コミュニケーションと自己変容のための方法の体系です。優れたセラピストの技術を分析して生まれました。多くの技法は科学的な裏付けが弱く、内省の道具として使うのが現実的です。
NLP統一場理論 えぬえるぴーとういつばりろん NLP Unified Field Theory
NLP統一場理論とは、ロバート・ディルツが示した、変化への関わり方を探すための整理の枠組みです。時間(過去・現在・未来)、知覚位置(自分・相手・観察者の視点)、ニューロロジカルレベル(環境・行動・能力・信念・アイデンティティなど)の3つの軸で、悩みが今どこにあるのかを位置づけます。たとえば「行動」の問題に見えて、実は「自分には無理」という信念のレベルにあるとわかれば、関わる場所が変わります。名前に「理論」とありますが、科学的に検証された理論ではなく、実践のための地図です。
ニューロロジカルレベルとは?変化の6階層ポジションチェンジとは?相手の立場で見る練習NLPとは?神経言語プログラミングの基本と活かし方
NLPの前提 えぬえるぴーのぜんてい NLP presuppositions
NLPの前提とは、NLPを実践するうえで「そう考えてみると役に立つ」とされる信条の集まりです。「地図は領土ではない」「失敗はなく、フィードバックがあるだけ」などが知られます。事実の主張ではなく、生きやすくなるための作業仮説として扱うのが適切です。
エフィカシー(自己効力感) えふぃかしー Self-efficacy
エフィカシーとは、「自分ならこの目標を達成できる」と感じる、自分の能力への確信のことです。心理学者バンデューラが提唱した「自己効力感(セルフ・エフィカシー)」がもとになっています。小さな成功体験や、身近な人の成功を見ることなどで育つとされます。
エンパワーメント えんぱわーめんと Empowerment
エンパワーメントとは、人が本来持っている力に気づき、自分で選び、行動できるようになること、またはそれを支えることです。もともとは社会福祉や市民運動の分野で、弱い立場に置かれた人が力を取り戻す文脈で使われてきました。職場では、権限を委ねて任せる意味でも使われます。コーチングでは、答えを与えるのではなく、問いかけによって本人の力を引き出す関わりを指します。「どうせ私には無理」から「私にも選べることがある」へと、自分への見方が変わることが出発点です。
オートクライン おーとくらいん Autocrine
オートクラインとは、自分が話した言葉を自分の耳で聞くことで、考えが整理されたり、新しい気づきが生まれたりすることです。生物学で、細胞が出した物質がその細胞自身に作用する「オートクリン(自己分泌)」を比喩として借りた言葉で、日本のコーチングで使われてきました。たとえば、友人に悩みを話しているうちに、自分の中で答えが見えてくることがあります。コーチが答えを言わずに問いかけ、相手に話してもらうのは、この働きを生かすためです。書くことでも、似た気づきが得られます。
オープンクエスチョン おーぷんくえすちょん Open question
オープンクエスチョンとは、「どう感じましたか」「何が大切ですか」のように、相手が自由に答えられる質問のことです。「はい/いいえ」や一言で答えられるクローズドクエスチョンと対になります。考えを広げたいときはオープン、確かめたいときはクローズドと使い分けます。
か
学習の4段階 がくしゅうのよんだんかい Four stages of competence
学習の4段階とは、人が技能を身につける過程を「できないことに気づいていない」→「できないと気づく」→「意識すればできる」→「意識しなくてもできる」の4段階で表すモデルです。「できない」と気づく段階は、成長の入口として捉えられます。
加速学習 かそくがくしゅう Accelerated learning
加速学習とは、音楽やリラックス、体の動き、イメージなど多様な手段を組み合わせて、楽しく効率よく学ぶことを目指す学習法の総称です。ブルガリアのロザノフが開発した「サジェストペディア」が源流の一つとされます。ただし、「何倍もの速さで学べる」といった宣伝には、研究の裏付けが乏しいものが少なくありません。一方で、思い出す練習(テスト効果)や間隔をあけた復習は、効果が研究で確かめられています。自分に合う学び方を探すときは、こうした確かな方法から試すのがおすすめです。
完了フレーム/未完了フレーム かんりょうふれーむみかんりょうふれーむ Completion frame
完了フレームとは、すでにできたこと・終わったことに目を向ける見方で、未完了フレームとは、まだできていないこと・足りないことに目を向ける見方です。たとえば1日の終わりに、やり残したことばかり数えて落ち込むのは、未完了フレームに偏っている状態です。未完了に目を向けると次の課題が見つかり、完了に目を向けると自信と安心が育ちます。どちらかが正しいわけではありません。自分がどちらに偏りやすいかを知り、意識して両方を使い分けてみてください。
関連性フレーム かんれんせいふれーむ Relevancy frame
関連性フレームとは、物事どうしのつながりに目を向け、とくに「今のこの話は、目的とどう関係するのか」を確かめる見方の枠組みです。たとえば会議の話が脱線したとき、「それは今日のゴールとどうつながりますか」と問いかける使い方が知られています。自分を知るうえでは、一見関係のない経験どうしのつながりを探すのにも役立ちます。子どもの頃に夢中になった遊びと、今の仕事の好みがつながっていると気づくこともあります。
キャリブレーション きゃりぶれーしょん Calibration
キャリブレーションとは、相手の表情や顔色、声の調子、呼吸などの変化を観察し、その人の内面の状態の変化に気づくことです。もとは計器の目盛り合わせを意味するNLPの用語です。思い込みで決めつけず、観察したことを確かめる姿勢が欠かせません。
嗅覚・味覚システム きゅうかくみかくしすてむ Olfactory / Gustatory
嗅覚・味覚システムとは、NLPでいう表象システムのうち、においと味で体験をとらえ、思い出す働きのことです。視覚・聴覚・体感覚と合わせて「VAKOG」と呼ばれます。たとえば、金木犀の香りで子どもの頃の帰り道がよみがえる。においがきっかけで浮かぶ記憶は、感情を伴いやすいことが研究でも報告されています。心が落ち着く香りや味を知っておくと、自分をいたわる手がかりになります。一方で、人を感覚の型に分類する考え方には、科学的な裏付けがありません。
共感覚 きょうかんかく Synesthesia
共感覚とは、もともとは、ある感覚への刺激で別の感覚も自動的に生じる知覚の現象を指す言葉です。音に色が見える、文字に色を感じるといった体験で、一部の人にみられ、神経科学でも研究されています。NLPでは意味を広げて、ある感覚が別の感覚を連鎖的に呼び起こすこと(ある人の顔を見た瞬間に胸が重くなる、など)を指す場合があります。この連鎖に気づくと、「なぜか気が重い」理由をたどれます。二つの意味は別物なので、区別して使うのがおすすめです。
GROWモデル ぐろうもでる GROW model
GROWモデルとは、Goal(目標)、Reality(現状)、Options(選択肢)、Will(意志・行動)の4段階で対話を進める、代表的なコーチングの枠組みです。ジョン・ウィットモアの著書『Coaching for Performance』で広く知られるようになりました。一人で自分に問いかけるときにも使えます。
経験学習モデル けいけんがくしゅうもでる Experiential learning model
経験学習モデルとは、具体的な経験→振り返り→教訓を引き出す(概念化)→新しい場面で試す、という4段階のサイクルで、経験から学びが生まれるとする考え方です。教育理論家デイビッド・コルブが1984年に体系化しました。
傾聴 けいちょう Active listening
傾聴とは、相手の話に耳を傾け、評価や助言をいったん脇に置いて、相手の気持ちや考えを理解しようとして聴くことです。心理学者カール・ロジャーズの来談者中心療法の考え方が背景にあり、カウンセリングやコーチングの基本とされます。
ゲシュタルト げしゅたると Gestalt
ゲシュタルトとは、ドイツ語で「形」「まとまり」を意味し、人は物事を部分の寄せ集めではなく、全体としてのまとまりでとらえる、という考え方を表す言葉です。20世紀初めのゲシュタルト心理学で研究されました。たとえば同じ音の並びでも、メロディーとして聞くと一つのまとまりとして感じられます。自分を知るうえでも、一つひとつの出来事より、くり返し現れる全体のパターンに目を向けると気づきが生まれます。なお、フリッツ・パールズらの「ゲシュタルト療法」は、この名前を用いた別の心理療法です。
現状の外側のゴール げんじょうのそとがわのごーる Goal outside the status quo
現状の外側のゴールとは、今のままの延長線上では届かない、本当に望むゴールのことです。日本の一部のコーチング理論で使われる考え方で、今の延長で達成できる目標では、行動や見える景色が大きく変わりにくいとされます。心から望むことにもとづくのが前提です。
合意フレーム ごういふれーむ Agreement frame
合意フレームとは、相手の意見のうち同意できる部分をまず言葉にしてから、自分の考えを「そして」でつなげて伝える話し方の枠組みです。たとえば「その心配はもっともだと思います。そのうえで、こんな方法もあります」と返すと、「でも」で始めるより対立が生まれにくくなります。自分の中の反対意見にも使えます。「不安になるのも無理はない。そして、試してみたい気持ちもある」と並べると、気持ちを否定せずに前へ進めます。同意のふりにならないよう、本当に共感できる点を探すのがコツです。
コーアクティブ・コーチング こーあくてぃぶこーちんぐ Co-Active Coaching
コーアクティブ・コーチングとは、コーチとクライアントが対等に協働し、人生全体を扱うコーチングの手法です。CTI(現 Co-Active Training Institute)の創設者たちが体系化しました。人はもともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在だという考えを土台にしています。
コーチング こーちんぐ Coaching
コーチングとは、対話を通して相手の考えを引き出し、本人が自分で答えを見つけて行動できるよう支える関わりのことです。国際コーチング連盟(ICF)は、考えを刺激する創造的なプロセスを通じて、クライアントの可能性を最大限に引き出すパートナーシップと定義しています。
コニリー・アンドレアス こにりーあんどれあす Connirae Andreas
コニリー・アンドレアスは、アメリカのNLPトレーナー・著述家です。夫のスティーブ・アンドレアスとともにNLPの技法の開発と普及に携わり、共著に『Heart of the Mind』(1989年)などがあります。困った反応を生む心の「パート」の願いを奥へとたどり、安らぎのような核となる状態(コアステート)に行き着く「コア・トランスフォーメーション」を開発し、1994年にタマラ・アンドレアスとの共著で書籍化しました。その後は「ホールネス・プロセス(Wholeness Process)」を提唱しています。いずれも内省の方法として知られますが、科学的な効果検証は限られています。
コンテクスト(状況) こんてくすと Context
コンテクストとは、出来事や言葉、ふるまいの意味を左右する、まわりの状況や背景のことです。同じ「慎重さ」も、ミスが許されない仕事では長所になり、思い切りが必要な場面では短所に見えます。NLPには、ある特徴が活きる別の状況を探して見方を変える「状況のリフレーミング」という方法があります。自分の短所だと思っている性質に、「それが役立つのはどんな場面?」と問いかけてみてください。性質そのものではなく、置かれている状況が合っていないだけかもしれません。
コンピテンシー こんぴてんしー Competency
コンピテンシーとは、高い成果を上げる人に共通して見られる行動の特性のことです。1970年代に心理学者マクレランドが、知能テストより実際の行動に注目すべきだと提唱したことで広まり、採用や人事評価で使われるようになりました。国際コーチング連盟(ICF)も、コーチに求める力を「コア・コンピテンシー」として定めています。自分を知るうえでは、「うまくいった場面で、自分は具体的に何をしていたか」を書き出すと、言葉にしにくい強みが行動の形で見えてきます。
コンフォートゾーン こんふぉーとぞーん Comfort zone
コンフォートゾーンとは、慣れ親しんでいて、ストレスや不安を感じにくい行動や環境の範囲のことです。居心地がよい一方、ずっととどまると新しい経験は生まれにくくなります。無理に飛び出すより、少しだけ外に出る挑戦をくり返すことで範囲は広がっていきます。
さ
サブモダリティ さぶもだりてぃ Submodalities
サブモダリティとは、NLPで、心に浮かぶイメージや音、感覚の細かな質のことです。映像なら明るさ・大きさ・距離・色、音なら音量や高さなどを指します。こうした質を変えると、記憶に伴う気持ちの強さが変わることがある、とNLPでは考えます。
視覚システム しかくしすてむ Visual representational system
視覚システムとは、NLPでいう「表象システム(五感で体験をとらえ、思い出す働き)」のうち、見たものや心に浮かぶ映像で情報を処理する働きのことです。たとえば昨日の出来事を、まず景色や人の表情として思い出す。「先が見えない」「ぱっと明るくなる」といった言葉にも表れます。自分がどんな映像で物事を思い浮かべているかに気づくと、不安の正体が見えやすくなります。ただし、人を「視覚タイプ」などに分けて接し方や学び方を変える考え方は、研究では裏付けられていません。
自己一致 じこいっち Congruence
自己一致とは、心で感じていることと、言葉や行動が食い違わずにそろっている状態のことです。心理学者カール・ロジャーズが、カウンセラーに必要な態度の一つとして示しました。自分の本音に気づき、それを受け入れることから始まります。
自己啓発 じこけいはつ Self-help
自己啓発とは、自分の能力や生き方をより良くするために、自ら学び、意識や行動を変えようとすることです。本やセミナーを通じて広く親しまれていますが、根拠の乏しい主張や過度な成功の約束もあるため、自分に合うかを確かめながら取り入れたいものです。
自己肯定感 じここうていかん Self-esteem
自己肯定感とは、自分には価値がある、自分はこれでいいと感じられる感覚のことです。心理学でいう「自尊感情(セルフエスティーム)」に近い言葉です。何かができるから認めるのではなく、できない日も含めて自分を大切に扱える土台を指します。
自己実現 じこじつげん Self-actualization
自己実現とは、自分の中にある可能性を十分に生かし、なりうる自分になっていくことです。心理学者マズローが欲求の階層の最上位に位置づけたことで知られます。成功や名声とは限らず、その人らしい成長を続けていく過程を指します。
自己受容 じこじゅよう Self-acceptance
自己受容とは、長所も短所も含めて、今の自分をそのまま「これが私だ」と認めることです。自分を好きになることや、変わらなくていいと開き直ることとは違います。現状を否定せずに受け止めることで、かえって変化に踏み出しやすくなります。
自己中心フレーム じこちゅうしんふれーむ Self-centered frame
自己中心フレームとは、物事を「今、この場で、自分にとって得か損か、快か不快か」という基準だけで判断する見方の枠組みです。たとえば、面倒だからという理由だけで、将来役立ちそうな誘いを断ってしまう場面です。この見方は、自分の素直な気持ちに気づく手がかりにもなります。ただ、大事な決断では、時間の幅(1年後の自分にとってはどうか)と、周りの人の視点を加えて考えるのがおすすめです。長い目で見た価値観にもとづく「自分軸」とは別のものです。
システム思考 しすてむしこう Systems thinking
システム思考とは、物事を一つひとつの部分ではなく、要素どうしのつながりや、影響がめぐって返ってくる循環(フィードバックループ)としてとらえる考え方です。ピーター・センゲの『The Fifth Discipline』(邦題『学習する組織』)などで広く知られるようになりました。たとえば「疲れる→ミスが増える→残業する→さらに疲れる」というループは、どこか一つを責めても解けません。自分の悩みも、習慣・人間関係・環境のつながりの中で見ると、小さく効く変えどころが見つかることがあります。
自分軸 じぶんじく
自分軸とは、自分の価値観や気持ちを基準にして考え、選ぶ姿勢のことです。対になる「他人軸」は、他人の評価や期待を基準にする状態を指します。自分軸はわがままとは違い、周りの声も聞いたうえで、最後は自分で決めることです。
ジャーナリング じゃーなりんぐ Journaling
ジャーナリングとは、頭に浮かぶ考えや気持ちを、評価せずにそのまま紙に書き出していく方法です。「書く瞑想」とも呼ばれます。書くことで気持ちと距離が取れ、考えが整理されます。つらい体験について書くことの効果は、ペネベーカーらの筆記開示の研究でも調べられてきました。
承認 しょうにん Acknowledgment
承認とは、コーチングで、相手の存在や行動、成長、成果を認め、言葉にして伝えることです。結果をほめるだけでなく、「最後までやり切りましたね」と事実やプロセスを認めることも含みます。相手が自分の力に気づき、次の一歩を踏み出す支えになります。
省略 しょうりゃく Deletion
省略とは、体験を言葉にするときに、情報の一部が抜け落ちることです。NLPのメタモデル(言葉の奥にある体験を質問で確かめる枠組み)では、一般化・歪曲と並ぶ3つの働きの一つとされます。たとえば「不安なんです」という言葉からは、何について、いつから、どのくらいかが抜けています。省略は情報を整理するための自然な働きですが、抜けた部分に本音が隠れていることもあります。「具体的には何が?」と自分に問い直すと、ぼんやりした悩みが扱える大きさになります。
ジョハリの窓 じょはりのまど Johari window
ジョハリの窓とは、自分を「自分も他人も知っている」「自分だけが知っている」「他人だけが知っている」「誰も知らない」の4つの窓に分けて見る自己理解のモデルです。1955年にジョセフ・ルフトとハリントン・インガムが考案し、二人の名前から名づけられました。
叙法助動詞(必要性・可能性) じょほうじょどうし Modal operators of necessity / possibility
叙法助動詞とは、メタモデルで、行動の範囲を決めてしまう言い回しを指す用語です。「〜しなければならない」「〜すべき」は必要性を、「〜できない」「〜は無理」は可能性を表します。たとえば「休んではいけない」と感じたら「休んだら何が起きる?」、「私には無理」と感じたら「何が妨げている?」と問いかけます。「ねばならない」を「〜したい」「〜することを選ぶ」と言い換え、しっくりくるかどうかで、本当の望みかを確かめることもできます。
スウィッシュ すうぃっしゅ Swish pattern
スウィッシュとは、NLPで、嫌な反応を引き起こすイメージを、望む自分のイメージへ素早く切り替える練習をくり返し、反応を変えていく技法です。リチャード・バンドラーが考案したとされます。癖や不安に使う例が紹介されますが、科学的な検証は限られています。
S.C.O.R.E.モデル すこあもでる S.C.O.R.E. model
S.C.O.R.E.モデルとは、問題と解決の全体像を5つの要素で整理するNLPの枠組みです。ロバート・ディルツとトッド・エプスタインが考案しました。S(Symptoms:症状、いま困っていること)、C(Causes:原因)、O(Outcome:望む結果)、R(Resources:助けになるリソース)、E(Effects:望む結果が実現したときに広がる長期的な効果)の頭文字です。たとえば「朝起きられない」という症状だけを見るのではなく、その先に望む効果まで見渡すことで、本当に変えたいことが見えてきます。
スコトーマ すことーま Scotoma
スコトーマとは、もともとは眼科の用語で、視野の一部が欠けて見えない部分(暗点)のことです。コーチングでは比喩的に、思い込みや関心の向きのせいで、目の前にあっても気づけない「心の盲点」を指して使われます。
すべて同じフレーム すべておなじふれーむ All-same frame
すべて同じフレームとは、物事の違いではなく、共通点や変わらない部分に注目する見方の枠組みです。たとえば、転職をくり返して「経歴がばらばら」と感じていても、どの職場でも「人に教える場面」が楽しかったと気づくことがあります。その共通点こそ、価値観や強みの手がかりです。違いに注目する対照フレームと組み合わせると、自分の輪郭がよりはっきりします。なお、こうしたフレームの名前は一部のNLP・コーチングの講座で使われる呼び方で、統一された学術用語ではありません。
セルフイメージ せるふいめーじ Self-image
セルフイメージとは、自分が自分自身をどんな人間だと思っているか、という自己像のことです。「私は人見知りだ」といった思いが行動の選び方に影響し、その結果がまた自己像を強める、という循環が生まれやすいとされます。
セルフサボタージュ せるふさぼたーじゅ Self-sabotage
セルフサボタージュとは、自分の目標や幸せを、自分自身の行動で邪魔してしまうことです。大事な準備をぎりぎりまで先延ばしする、うまくいきかけると手を引く、といった形で表れます。失敗したときに傷つかないよう、心が自分を守ろうとしていることもあります。
セルフトーク せるふとーく Self-talk
セルフトークとは、心の中で自分自身に語りかける言葉のことです。「どうせ失敗する」「大丈夫、やってみよう」など、意識しないうちにくり返している口ぐせが、気分や行動に影響します。まずは、どんな言葉を自分にかけているかに気づくことが出発点です。
潜在意識 せんざいいしき Unconscious mind
潜在意識とは、自分では気づいていないところで、感じ方や行動に影響している心の働きのことです。自覚できる「顕在意識」と対で使われます。心理学では「無意識」「非意識的な処理」などと呼ばれ、習慣や直感、思い込みの多くがこの領域で働いていると考えられています。
前提(言語の前提) ぜんてい Presupposition
前提(言語の前提)とは、ある文が成り立つために、口には出されないまま「当然」とされている内容のことです。たとえば「どうして私はいつも失敗するんだろう」という問いは、「私はいつも失敗する」ことを前提にしています。メタモデルでは「何が前提になっている?」と確かめます。逆に「次はどんな工夫を試しますか」という問いは、工夫できることを前提にしており、コーチングの質問はこの働きを生かしています。NLPが信条として掲げる「NLPの前提」とは別の意味の言葉です。
た
体感覚(身体感覚) たいかんかく Kinesthetic
体感覚とは、NLPでいう表象システムのうち、体の感覚や、胸やお腹のあたりで感じる気持ちの手ざわりで体験をとらえる働きのことです。たとえば緊張すると胃がきゅっと縮む、うれしい知らせに胸が温かくなる。「重い話」「肩の荷が下りる」といった言葉にも表れます。頭では「やるべき」と思うのに体が重いとき、その感覚は本音を知らせるサインかもしれません。ただし、人を「体感覚タイプ」などに分類する考え方は、研究では裏付けが乏しいとされています。
対照フレーム たいしょうふれーむ Contrast frame
対照フレームとは、2つの経験や状態を比べ、その違いに注目することで、何が差を生んでいるのかを見つける見方の枠組みです。たとえば、気楽に話せる人と緊張してしまう人では、相手の何が違うのか。集中できた日とできなかった日では、時間帯や場所がどう違ったのか。違いを丁寧に見ると、自分が力を出しやすい条件が具体的に見えてきます。他人と自分を比べて落ち込むためではなく、自分の経験どうしを比べるために使うのがおすすめです。
タイムライン(NLP) たいむらいん Timeline
タイムラインとは、NLPで、人が心の中で過去・現在・未来をどのように配置しているかを、一本の線として表す考え方です。過去が後ろ、未来が前にあるなど、人によって配置が違うとされます。線の上を歩くイメージで、過去の体験や未来の目標を見直す技法に使われます。
ダニング=クルーガー効果 だにんぐくるーがーこうか Dunning–Kruger effect
ダニング=クルーガー効果とは、ある分野の能力が低い人ほど、自分の力を実際より高く見積もりやすいという傾向です。1999年にダニングとクルーガーが報告しました。能力の高い人は控えめに評価しやすい傾向も示されていますが、統計上の見かけの効果だとする批判もあります。
ダブルバインド だぶるばいんど Double bind
ダブルバインド(二重拘束)とは、矛盾する2つのメッセージを同時に受け取り、どちらに従っても責められるため、身動きがとれなくなる状況のことです。1956年にグレゴリー・ベイトソンらが提唱しました。「自由にしていいよ」と言いながら不満げな顔をする、などが例です。
ダブルループ学習 だぶるるーぷがくしゅう Double-loop learning
ダブルループ学習とは、行動の結果を見てやり方を修正するだけでなく、その行動の前提にある考え方や価値観そのものを問い直す学習のことです。組織学習の研究者クリス・アージリスが提唱しました。やり方だけを直すシングルループ学習と対になります。
タマラ・アンドレアス たまらあんどれあす Tamara Andreas
タマラ・アンドレアスは、アメリカのNLPトレーナー・著述家です。コニリー・アンドレアスとの共著『Core Transformation: Reaching the Wellspring Within』(1994年)で知られ、コア・トランスフォーメーションのトレーニングに携わってきました。この手法は、困った反応や感情の奥にある「本当は何を求めているのか」を段階的にたどり、安らぎや「ただ在る」感覚のような核となる状態に行き着くという内省のプロセスです。手法の開発者は主にコニリーとされます。科学的な効果検証は限られている点も、知っておくとよいでしょう。
チャンクダウン ちゃんくだうん Chunking down
チャンクダウンとは、大きな目標や漠然とした考えを、具体的で小さなまとまり(チャンク)に分けていくことです。反対に、具体的なことから「それは何のため?」と目的や意味へ上がっていくことをチャンクアップと呼びます。考えを整理し、行動に移す助けになります。
抽象度 ちゅうしょうど Level of abstraction
抽象度とは、物事をどれくらい大きなまとまりでとらえているか、その視点の高さのことです。たとえば「りんご」より「果物」、「果物」より「食べ物」のほうが抽象度は高くなります。自分を知るうえでは、この高さを行き来することが役立ちます。「やりたいことがない」と感じたら、好きな物事に「それの何がうれしい?」と問いかけて抽象度を上げると、価値観が見えてきます。反対に、大きな夢がぼんやりしているときは、抽象度を下げて今日できる一歩まで具体的にします。
聴覚システム ちょうかくしすてむ Auditory representational system
聴覚システムとは、NLPでいう表象システムのうち、音や声、リズムで体験をとらえ、思い出す働きのことです。たとえば、ある人を思い出すとき、顔より先に声の調子が浮かぶ。「話が心に響く」「耳が痛い」といった言葉にも表れます。内省では、頭の中で再生される誰かの声に気づくことが手がかりになります。その声は、本当に自分の声でしょうか。なお、人を「聴覚タイプ」などに分類して学び方を合わせる考え方は、研究では支持されていません。
ディズニー戦略 でぃずにーせんりゃく Disney strategy
ディズニー戦略とは、夢を描く「ドリーマー」、実現方法を考える「リアリスト」、問題点を検討する「クリティック」の3つの立場を切り替えながら、アイデアを形にしていく方法です。NLPのロバート・ディルツが、ウォルト・ディズニーの創造の進め方を分析してまとめました。
デジタル(内部対話) でじたる Auditory digital
デジタル(内部対話)とは、NLPで、映像や音や体の感覚そのものではなく、言葉や理屈で体験を処理する働きを指す用語です。頭の中の独り言がその代表で、たとえば「ちゃんとしなきゃ」「どうせ無理」と、言葉で自分に話しかけている状態です。自分を知るには、その言葉づかいを紙に書き出してみるのが近道です。誰かの口ぐせに似ている、と気づくこともあります。なお、NLPの感覚の分類そのものは、科学的に確かめられた区分ではありません。
デフォルトモードネットワーク でふぉるともーどねっとわーく Default mode network
デフォルトモードネットワーク(DMN)とは、何かに集中していない、ぼんやりしているときに活発になる脳の領域のネットワークです。2001年ごろのレイクルらの研究で注目されました。自分について考える、過去や未来を思い描くといった働きとの関わりが研究されています。
TOTEモデル とーともでる TOTE model
TOTEモデルとは、Test(確認)→Operate(実行)→Test(確認)→Exit(終了)の流れで、目標に向かう行動を説明するモデルです。1960年にミラー、ギャランター、プリブラムが提唱し、NLPでも行動の「戦略」を分析する基礎として使われています。
読心術(メタモデル) どくしんじゅつ Mind reading
読心術とは、メタモデルで、根拠を確かめないまま、相手の考えや気持ちをわかったつもりで語る表現を指します。超能力の意味ではありません。たとえば「上司は私にがっかりしている」「みんな私を面倒だと思っている」といった言葉です。こう感じたら、「どうしてそれがわかるの?」と自分に問いかけてみます。根拠が相手の表情一つだけだった、ということもあります。人の目が気になるときは、自分の想像が膨らんでいることが少なくありません。確かめられることは、本人に聞いてみるのも一つの方法です。
トランス状態 とらんすじょうたい Trance
トランス状態とは、注意が一点に集まり、周りへの意識が薄れた没入の状態のことです。本や映画に夢中になって時間を忘れるのも、日常的な軽いトランスといえます。催眠療法家ミルトン・エリクソンの研究を通じて、NLPでも重視されるようになりました。
ドリームキラー どりーむきらー Dream killer
ドリームキラーとは、夢や挑戦に対して「無理だよ」「やめておけ」と否定的な言葉をかけ、やる気をくじく人のことです。日本の自己啓発やコーチングで使われる言葉です。多くは家族や友人など身近な人で、悪意ではなく心配からそう言うこともあります。
な
二次的利得 にじてきりとく Secondary gain
二次的利得とは、困っている症状や行動から、本人も気づかないうちに得ている隠れた利点のことです。たとえば体調不良によって苦手な場から離れられる、といったものです。責めるための考え方ではなく、行動の背景にある願いを理解するための視点です。
ニューロロジカルレベル にゅーろろじかるれべる Neurological levels
ニューロロジカルレベルとは、人の経験や変化を「環境・行動・能力・信念と価値観・アイデンティティ・自分を超えたつながり」の6つの階層で整理する、ロバート・ディルツのモデルです。悩みがどの階層にあるかを見分ける手がかりになります。
認知科学 にんちかがく Cognitive science
認知科学とは、知覚・記憶・言語・思考・学習といった心の働きを、心理学・神経科学・言語学・哲学・人工知能研究などを横断して研究する学問分野です。1950年代ごろから形づくられてきました。たとえば「人は予想しているものに気づきやすい」といった知見は、自分の思い込みに気づく手がかりになります。コーチングやNLPにも、認知科学の考え方を取り入れたものがあります。ただし、「認知科学にもとづく」とうたう手法が、実際に研究で効果を確かめられているとは限らない点に注意が必要です。
認知的不協和 にんちてきふきょうわ Cognitive dissonance
認知的不協和とは、自分の考えと行動など、矛盾する2つの認知を同時に抱えたときに生じる不快感のことです。心理学者フェスティンガーが1957年に提唱しました。人はこの不快感を減らそうとして、考えのほうを行動に合わせて変えることがあります。
能力の輪 のうりょくのわ Circle of competence
能力の輪とは、自分が本当によくわかっている領域と、そうでない領域の境界を知り、判断はできるだけその内側で行うという考え方です。投資家のウォーレン・バフェットが株主への手紙などで語り、広く知られるようになりました。大切なのは輪の大きさではなく、境界を正しく知ることだとされます。たとえば「人の話を聴くのは得意だが、数字の管理は苦手」と自覚していれば、頼るべきところで人に頼れます。境界を知ることは、輪を少しずつ広げるための出発点でもあります。
は
バックキャスティング ばっくきゃすてぃんぐ Backcasting
バックキャスティングとは、望む未来の姿を先に描き、そこから現在へとさかのぼって、今何をすべきかを考える方法です。現在から積み上げて考えるフォアキャスティングと対になります。もとは環境やエネルギー政策の分野で使われてきた考え方です。
バックトラッキング ばっくとらっきんぐ Backtracking
バックトラッキングとは、相手が話した言葉や要点を、そのまま、あるいは要約して返すことです。「おうむ返し」とも呼ばれます。聞いてもらえているという安心感を伝え、話の理解を確かめる働きがあります。機械的にくり返すと逆効果になることもあります。
バランスホイール(人生の輪) ばらんすほいーる Wheel of life
バランスホイール(人生の輪)とは、仕事、健康、人間関係、お金、学び、遊びなど人生の領域を円の形に並べ、それぞれの満足度を点数で表して、人生全体のバランスを見渡すツールです。コーチングで、現状の把握やテーマ探しによく使われます。
判断の省略 はんだんのしょうりゃく Lost performative
判断の省略とは、「〜するべきではない」「それは間違っている」のように、誰がどんな基準で判断したのかが抜け落ちた価値判断の表現です。メタモデルで扱われます。たとえば「仕事はつらくて当たり前」と思っているなら、「誰がそう決めたのだろう」と問いかけてみます。親や先生、以前の職場の考えを、自分の考えだと思い込んでいたと気づくこともあります。判断の出どころがわかると、それを持ち続けるか手放すかを、自分で選べるようになります。
ヒーローズ・ジャーニー ひーろーずじゃーにー Hero's journey
ヒーローズ・ジャーニーとは、世界の神話に共通する「旅立ち→試練→帰還」という英雄の物語の型のことです。神話学者ジョーゼフ・キャンベルが1949年の著書『千の顔をもつ英雄』で示しました。人生の転機を物語として捉え直す手がかりとしても使われます。
比較の省略 ひかくのしょうりゃく Comparative deletion
比較の省略とは、「もっと頑張らないと」「あの人のほうが上だ」のように、何と比べているのかという基準が抜け落ちた表現のことです。メタモデルで扱う省略の一つです。たとえば「私は話すのが下手」と感じたら、「誰と比べて?」「どんな場面と比べて?」と問いかけてみます。すると、比べている相手がプロの話し手や、理想の自分だったと気づくことがあります。基準が見えると、その比較が自分にとって妥当かどうかを、落ち着いて選び直せます。
非言語コミュニケーション ひげんごこみゅにけーしょん Nonverbal communication
非言語コミュニケーションとは、表情、視線、身ぶり、姿勢、声の調子や間、相手との距離など、言葉以外の手段で伝わるコミュニケーションのことです。同じ言葉でも、非言語の伝わり方によって受け取られる意味が変わることがあります。
ビジネスコーチング びじねすこーちんぐ Business coaching
ビジネスコーチングとは、仕事上の目標達成やリーダーシップ、チームづくりなどをテーマに行うコーチングのことです。経営者や管理職を対象にしたエグゼクティブコーチングや、上司が部下と対話するときにコーチングのスキルを使う形も含まれます。
ビジュアライゼーション びじゅあらいぜーしょん Visualization
ビジュアライゼーションとは、望む未来や行動している自分の姿を、具体的なイメージとして心の中に思い描く方法です。スポーツのイメージトレーニングでも使われます。研究では、成功した姿だけでなく、そこに至る過程や障害への対処まで思い描くことが役立つとされています。
ビジュアルスカッシュ(パートの統合) びじゅあるすかっしゅ Visual squash
ビジュアルスカッシュとは、NLPで、「挑戦したい自分」と「安全でいたい自分」のように対立する心の部分(パート)を両手に乗せてイメージし、それぞれの肯定的な意図を確かめながら統合していく技法です。心の葛藤を扱う方法として知られますが、科学的な検証は限られています。
ビリーフ びりーふ Belief
ビリーフとは、「自分は〜な人間だ」「世の中は〜なものだ」と、自分が正しいと信じている考えや思い込みのことです。経験から身につき、行動や感じ方を方向づけます。支えになるものもあれば、「どうせ無理」のように可能性を狭めるものもあります。
フィードバック ふぃーどばっく Feedback
フィードバックとは、相手の行動やその結果について、観察した事実や受け取った印象を伝え、次の行動に生かしてもらうことです。もとは制御工学で、出力の結果を入力に戻して調整するしくみを指す言葉です。評価ではなく、成長のための情報として伝えます。
フォーマット ふぉーまっと Format
フォーマットとは、NLPで、特定の目的のために手順を決めた技法の型のことです。料理でいうレシピに近く、たとえばスウィッシュやポジションチェンジは、それぞれ決まった手順のフォーマットとして教えられます。手順があることで、初めての人も迷わずに試せます。一方で、型どおりに進めることが目的になると、自分や相手の今の反応を見落としがちです。フォーマットは入り口と考え、やってみて感じたことを手がかりに、自分に合う形へ調整していくのがおすすめです。
NLPとは?神経言語プログラミングの基本と活かし方スウィッシュとは?嫌なイメージを書き換える技法ポジションチェンジとは?相手の立場で見る練習
複合等価 ふくごうとうか Complex equivalence
複合等価とは、本来は別々の2つの事柄を「同じ意味」として結びつけることです。メタモデルでは歪曲の一つとされます。たとえば「返信が遅い=私を大切にしていない」「ミスをした=自分は無能」といった結びつきです。こう感じたら、「返信が遅いことは、いつでも大切にしていないことを意味する? ほかの理由は考えられない?」と問いかけてみます。結びつきをほどくと、出来事をそのまま見られるようになります。こうした結びつきは、多くの場合、その人のビリーフ(思い込み)から生まれています。
不特定名詞 ふとくていめいし Unspecified noun
不特定名詞とは、「みんな」「世間」「あの人たち」のように、具体的に誰や何を指しているのかがはっきりしない名詞のことです。メタモデルでは省略の一種として扱われます。たとえば「みんなにどう思われるか心配」と感じたら、「みんなって、具体的には誰?」と問いかけてみます。思い浮かべてみると、実際には2〜3人だった、ということもあります。ぼんやりした大きな相手を一人ひとりに戻すと、人の目への不安は扱いやすい大きさになります。
普遍的数量詞 ふへんてきすうりょうし Universal quantifier
普遍的数量詞とは、「いつも」「みんな」「絶対」「一度も〜ない」のように、例外を認めない言葉のことです。メタモデルでは一般化の一種として扱われます。たとえば「私はいつも空回りする」と口にしたとき、「本当にいつも? 例外は一度もなかった?」と問い直してみます。たいていは、うまくいった場面がいくつか思い出せます。こうした言葉は気持ちの強さの表れでもあるので、責めずに気づくだけで十分です。気づくたびに、思い込みの輪郭が少しずつ見えてきます。
ブレインダンプ ぶれいんだんぷ Brain dump
ブレインダンプとは、頭の中にある気がかりややること、アイデアなどを、整理しようとせずに紙やメモにすべて書き出す方法です。抱えていることが目に見えるようになり、頭がすっきりします。書き出したあとで分類や優先順位づけをすると、次の行動を決めやすくなります。
ペーシング ぺーしんぐ Pacing
ペーシングとは、話す速さや声の調子、呼吸、言葉づかいなどを相手に合わせることで、安心感や一体感を生み出すコミュニケーションの技法です。ラポールを築く方法としてNLPで紹介されます。相手のペースを尊重する姿勢が土台になります。
変化モデル(NLP) へんかもでる NLP change model
変化モデル(NLP)とは、変化を「現在の状態」から「望む状態」への移動としてとらえ、その間をつなぐのが「リソース(資源)」だと考えるNLPの基本的な枠組みです。たとえば「人前で話すと固まる」という現在の状態と、「落ち着いて伝えられる」という望む状態を具体的に描き、その差を埋めるのに必要な経験・技術・気持ちの状態を探します。原因探しにとどまらず、どこへ向かいたいかを先に描くのが特徴です。なお、教える団体によって段階の数や呼び方には違いがあります。
ポジションチェンジ ぽじしょんちぇんじ Perceptual positions
ポジションチェンジとは、ある場面を「自分」「相手」「第三者の観察者」の3つの立場から順に見直すNLPの技法です。知覚位置(パーセプチュアル・ポジション)とも呼ばれます。相手への理解が深まり、自分の思い込みに気づく助けになります。
ホメオスタシス ほめおすたしす Homeostasis
ホメオスタシスとは、体温や血糖値などの体の状態を、一定の範囲に保とうとする生体のしくみのことです。生理学者キャノンが名づけました。自己啓発では、心も慣れた状態に戻ろうとするため変化が難しい、という説明の比喩として使われます。
翻訳(表象の翻訳) ほんやく Translation
翻訳(表象の翻訳)とは、NLPで、ある感覚の言葉で表された体験を、別の感覚の言葉に置き換えて伝え直すことです。たとえば「先が見えない」と話す人の言葉を、「足元が定まらない感じ」と体の感覚の言葉で受け取り直すと、体感覚の言葉を使う人にも伝わりやすくなります。自分に使うなら、胸のモヤモヤという感覚を、色や形、言葉に置き換えてみると、気持ちが整理しやすくなります。ただし、人を感覚のタイプに分類する考え方自体は、研究では裏付けが乏しいとされています。
ま
マインドセット まいんどせっと Mindset
マインドセットとは、物事のとらえ方の土台となる考え方の傾向のことです。心理学者キャロル・ドゥエックは、能力は伸ばせると考える「成長マインドセット」と、能力は生まれつき決まっていると考える「固定マインドセット」を区別しました。
マインドフルネス まいんどふるねす Mindfulness
マインドフルネスとは、今この瞬間の体験に、評価や判断をせずに意図的に注意を向けることです。仏教の瞑想を背景に、ジョン・カバット・ジンらがストレス低減のプログラムとして広めました。呼吸や体の感覚に注意を向ける練習から始められます。
ミラーリング みらーりんぐ Mirroring
ミラーリングとは、相手のしぐさや姿勢、表情などを、鏡に映すようにさりげなく合わせることです。親しい人どうしでは自然に起こる現象として、心理学でも研究されています。意図的にやりすぎると、相手に違和感を与えることもあります。
ミルトンモデル みるとんもでる Milton model
ミルトンモデルとは、催眠療法家ミルトン・エリクソンの話し方を、バンドラーとグリンダーが分析してまとめたNLPの言語パターンです。あえてあいまいな言葉を使い、聞き手が自分の経験から意味を見つけられる余地をつくるのが特徴で、メタモデルと対になります。
名詞化 めいしか Nominalization
名詞化とは、本来は動きや過程である出来事を名詞にして、固定された「もの」のように扱う表現です。たとえば「関係が壊れた」の「関係」は、実際には二人のやりとりの積み重ねです。「自信がない」「不安がある」も同じで、名詞にすると、持っているかいないかの変えられないものに感じられます。メタモデルでは「どのように関わっている?」「何について、どう信じられない?」と、動きに戻して問います。すると、少しずつ変えられる余地が見えてきます。
メタ認知 めたにんち Metacognition
メタ認知とは、自分が考えていることや感じていることを、一段上からもう一人の自分が眺めるように認識する働きのことです。「今、私は焦っているな」と気づける力で、心理学者フレイヴェルらによって研究が進みました。感情に飲み込まれず、選び直す助けになります。
メタファー めたふぁー Metaphor
メタファーとは、「人生は旅だ」のように、ある物事を別のものにたとえて表す比喩(隠喩)のことです。コーチングやNLPでは、説明では届きにくいことを物語やたとえで伝えたり、相手が使うたとえからその人のものの見方を理解したりするために使われます。
メタプログラム めたぷろぐらむ Meta-programs
メタプログラムとは、NLPで、人が情報を受け取り判断するときの無意識のクセやパターンのことです。「目標に向かう/問題を避ける」「全体を見る/細部を見る」などの軸で表します。良し悪しではなく傾向として、自分の強みや人との違いを知る手がかりになります。
メタメッセージ めためっせーじ Metamessage
メタメッセージとは、言葉そのものの意味とは別に、言い方や態度、状況を通して伝わる「言葉の裏のメッセージ」のことです。たとえば「別にいいよ」という言葉も、声の調子によっては不満として伝わります。言葉と食い違うと、相手は戸惑いやすくなります。
メタモデル めたもでる Meta-model
メタモデルとは、体験を言葉にするときに省略・一般化・歪曲された部分を、具体的な質問で確かめ、元の体験に近づけていくNLPの質問の枠組みです。1975年にバンドラーとグリンダーが『The Structure of Magic』で発表しました。
メラビアンの法則 めらびあんのほうそく Mehrabian's rule
メラビアンの法則とは、気持ちや態度を伝える場面で、言葉と声の調子と表情が食い違うとき、聞き手は言葉より声や表情を手がかりに判断しやすい、という1960年代の実験をもとにした説です。「話の内容は7%しか伝わらない」という意味ではありません。
メンタリング めんたりんぐ Mentoring
メンタリングとは、経験や知識を持つ先輩(メンター)が、後輩(メンティー)と継続的に対話し、助言や支援を通して成長を支える関わりのことです。相手の答えを引き出すコーチングに比べ、自分の経験を共有することが多い点が特徴です。
メンタルモデル めんたるもでる Mental model
メンタルモデルとは、人が頭の中に持っている「世界はこう動いている」という見取り図のことです。NLPでは「地図は領土ではない」という言葉で、私たちが見ているのは現実そのものではなく自分なりの地図だ、と表現します。地図を見直すことで、選択肢が広がります。
モデリング もでりんぐ Modeling
モデリングとは、ある人の優れた行動や考え方を観察し、その要素を取り出して自分でも再現できるように学ぶことです。心理学ではバンデューラが、他者を観察することによる学習として研究しました。NLPでは、卓越した人の考え方や手順を詳しく分析する方法を指します。
や
ら
ライフコーチング らいふこーちんぐ Life coaching
ライフコーチングとは、仕事だけでなく、人間関係や健康、生き方など、人生全体をテーマにするコーチングのことです。自分の価値観や望みを明確にし、それに沿った選択と行動を対話で支えます。心の不調の治療を目的とするものではありません。
RAS(網様体賦活系) らす Reticular activating system
RAS(網様体賦活系)とは、脳幹にある神経のネットワークで、目覚めの度合いや注意の状態を調整する働きを担っています。自己啓発では「重要だと思った情報だけが目に入る」しくみの説明に使われますが、これは注意の働きを大まかに言い換えた比喩的な説明です。
ラポール らぽーる Rapport
ラポールとは、相手との間に生まれる、安心して話せる信頼関係のことです。フランス語に由来する言葉で、心理療法やコーチングでは対話の土台として重視されます。相手のペースに合わせる、よく聴く、といった関わりの積み重ねで育ちます。
リソース りそーす Resources
リソースとは、望む状態や目標に向かうために使える、内と外の資源のことです。内側のリソースには経験・強み・知識・落ち着いた気持ちの記憶などが、外側のリソースには人・時間・お金・情報などがあります。たとえば「前に緊張しながらも乗り切れた日」の記憶は、次の挑戦を支えるリソースになります。NLPでは「人は必要なリソースをすでに持っている」という考えを前提に置きますが、これは事実の主張ではなく、可能性を探すための姿勢です。人に助けを求めることも、立派なリソースの活用です。
リフレーミング りふれーみんぐ Reframing
リフレーミングとは、出来事を見る枠組み(フレーム)を変えて、別の意味や可能性を見いだすことです。たとえば「優柔不断」を「慎重に考えられる」と捉え直します。事実を変えるのではなく意味づけを変えることで、気持ちや次の行動の選択肢が変わります。
わ
歪曲 わいきょく Distortion
歪曲とは、体験を言葉や意味にするときに、事実を自分なりに形を変えて解釈することです。メタモデルでは、省略・一般化と並ぶ3つの働きの一つとされ、相手の心を決めつける「読心術」、出来事と気持ちを直結させる「因果」、「複合等価」「名詞化」などが含まれます。歪曲は想像や創造の源でもあり、悪いものではありません。ただ「返事がない=嫌われた」のような、つらい解釈を事実だと思い込むと苦しくなります。「それは事実? それとも解釈?」と分けてみることが助けになります。