No.03 Connect人とつながる

ドリームキラーとは?夢を否定する人との付き合い方

ドリームキラーとは、夢や挑戦を「無理だ」と否定して、一歩を止めてしまう人や心の声のこと。身近な人ほどドリームキラーになりやすい理由、相手を敵にしない対処法、応援してくれるドリームサポーターの増やし方を紹介します。

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この記事の結論

ドリームキラーとは、あなたの夢や挑戦を否定し、一歩を止めてしまう人や、自分の中の声のことです。多くは悪意ではなく、心配や変化への不安から生まれます。相手の意図は受け取りつつ、判断は自分で下し、応援してくれる人に話す相手を選ぶと、夢を守りやすくなります。

  • ドリームキラーの多くは悪意ではなく、心配と変化への不安から生まれる
  • 相手の気持ちは受け取り、内容は情報として仕分け、判断は自分で下す
  • 誰に、いつ話すかを選び、応援してくれる人を少しずつ増やしていく
目次 Contents
  1. ドリームキラーとは? 一言でいうと
  2. なぜ身近な人ほど、夢を否定するのか
  3. いちばん手ごわいのは、自分の中のドリームキラー
  4. ドリームキラーとの付き合い方
  5. ドリームサポーターを増やす
  6. あなたが、誰かのドリームキラーにならないために
  7. 夢は、守りながら育てていい

「会社を辞めて、勉強し直したい」。勇気を出して打ち明けたのに、返ってきたのは「現実を見なさい」「あなたには向いてない」。そんな言葉に、せっかくの気持ちがしぼんでしまった経験はありませんか。

しかも、そう言ってくるのは、たいてい親やパートナー、仲のいい友人です。大切な人だからこそ、言葉が刺さる。反論したいのに、「たしかにそうかも」と思ってしまう自分もいる。

夢を否定されて揺れるのは、あなたの意志が弱いからではありません。大切な人の言葉を、ちゃんと受け止めようとしているからです。

この記事では、ドリームキラーとは何か、なぜ身近な人ほどそうなりやすいのかを整理します。そのうえで、相手を敵にせずに夢を守る方法と、応援してくれる人を増やす方法を紹介します。

ドリームキラーとは? 一言でいうと

ドリームキラーとは、あなたの夢や挑戦を否定し、一歩を止めてしまう人や言葉のことです。日本のコーチングや自己啓発の分野で広く使われている言葉で、学術的な用語ではありません。

典型的なのは、こんな言葉です。

  • 「そんなの無理に決まってる」
  • 「今の安定を手放すなんて、もったいない」
  • 「失敗したらどうするの」
  • 「あなたらしくない」
  • 「みんなそう言うけど、結局やめるんだよ」

ドリームキラーは、他人だけではありません。「どうせ自分には無理だ」と、心の中でささやく声もそのひとつです。この内側のドリームキラーについては、あとで詳しく扱います。

反対に、夢を応援し、挑戦を支えてくれる人を「ドリームサポーター」と呼びます。

耳の痛い助言との違い

反対意見を言う人が、みなドリームキラーというわけではありません。違いは、話がどこに向かっているかにあります。

ドリームキラー耳の痛い助言
結論「やめておけ」で終わる「やるなら、ここに気をつけて」と続く
質問ほとんどない「なぜやりたいの?」「どう準備する?」と聞いてくる
根拠「無理に決まってる」など、決めつけが多い具体的な事実や経験にもとづく

この表は研究にもとづく分類ではなく、相手の言葉を受け取るときの目安です。同じ人が、日によってどちらにもなります。

なぜ身近な人ほど、夢を否定するのか

ドリームキラーになるのは、多くの場合、悪意のある人ではありません。むしろ、あなたのことを大切に思っている人です。そこには、いくつかの理由があります。

あなたが傷つくのを見たくない

親が子どもの挑戦に反対するとき、その根っこには「失敗して傷ついてほしくない」という気持ちがあることが多いものです。守りたい気持ちが、「やめておきなさい」という言葉になって出てくるのです。

相手自身が、変化を怖がっている

あなたが変わると、相手との関係も変わるかもしれません。転職すれば、一緒に過ごす時間が減る。引っ越せば、会えなくなる。相手が否定しているのは、あなたの夢ではなく、変化そのものかもしれません。

人には、今の状態を保とうとする傾向があります。行動経済学では、これを「現状維持バイアス」と呼びます(Samuelson & Zeckhauser, 1988)。新しい選択肢がどんなに魅力的でも、今のままを選ぶほうが自然に感じられやすいのです。心や体が慣れた状態に戻ろうとするしくみについては、ホメオスタシスとは?変われないのは脳の仕組みで紹介しています。

相手の「できなかった経験」が重なっている

かつて同じような夢をあきらめた人は、あなたの挑戦に、自分の過去を重ねることがあります。「自分にはできなかった」という痛みが、「あなたにも無理だ」という言葉になって出てくるのです。

相手の知っている世界の外にある

前例のない挑戦は、相手の想像を超えています。見たことのないものを「できる」と思うのは、誰にとっても難しいことです。今の延長線上にない目標がなぜ大切なのかは、現状の外側のゴールとは?本気の目標設定で扱っています。

いちばん手ごわいのは、自分の中のドリームキラー

外からの否定は、言われたその場で終わります。でも、心の中のドリームキラーは、一日中、何度でもささやいてきます。

「年齢的にもう遅い」「才能がない」「失敗したら笑われる」。こうした声の多くは、過去に誰かから言われた言葉や、くり返し見聞きした考えが、自分の声のふりをしているものです。

心の中の声に気づいたら、次のように問い直してみてください。

  • それは、誰の声に似ている?
  • その声は、私の何を守ろうとしている?
  • もし親しい友人が同じ夢を話したら、私は同じことを言う?

内側の声は、恥ずかしさや失敗から、あなたを守ろうとしていることもあります。追い払うより、「心配してくれてありがとう。でも、やってみたい」と返すくらいがちょうどいいのです。頭の中の声との付き合い方は、セルフトークとは?心の口ぐせを味方にするで詳しく紹介しています。

ドリームキラーとの付き合い方

相手を敵にする必要はありません。大切なのは、相手の言葉に振り回されずに、自分の夢を自分で選ぶことです。

気持ちは受け取り、判断は自分で下す

否定の言葉には、2つの層があります。「あなたが心配だ」という気持ちの層と、「だからやめなさい」という結論の層です。気持ちの層は、ありがたく受け取ってかまいません。結論の層まで受け取る必要はありません。

「心配してくれてありがとう。よく考えて、自分で決めるね」。この一言で、相手の気持ちを否定せずに、判断を自分の手元に残せます。言いにくいことを、相手を尊重しながら伝える方法は、アサーティブとは?DESC法で上手に伝える方法で紹介しています。

否定の中の「情報」を仕分ける

ドリームキラーの言葉の中には、役に立つ情報が混ざっていることもあります。「貯金はどのくらいあるの?」「その業界、今は厳しいらしいよ」。感情的には反発したくなっても、計画を見直すヒントになる指摘は、拾っておいて損はありません。

ポイントは、「やめるべき理由」としてではなく、「準備すべきこと」として受け取ることです。

小さく試して、結果で話す

言葉で説得しようとするほど、相手は反対の理由を探します。それより、小さく試してみて、その結果を見せるほうが伝わることがあります。

職場で「前例がない」と言われた企画なら、まず自分の担当範囲で1か月だけ試してみる。副業を考えているなら、週末だけで始めてみる。小さな結果は、どんな言葉より、相手の不安をやわらげます。あなた自身にとっても、夢が本当にやりたいことかを確かめる機会になります。

話す相手と、タイミングを選ぶ

夢を、すべての人に話す必要はありません。まだ芽が出たばかりの夢は、強い否定にさらされると、それだけで枯れてしまうことがあります。

ある程度形が見えるまでは、応援してくれそうな人にだけ話す。家族には、計画が固まってから伝える。そうした順番の工夫も、立派な夢の守り方です。

ドリームサポーターを増やす

ドリームキラーを減らすことより、ドリームサポーターを増やすことのほうが、夢を守る力になります。

応援してくれる人は、挑戦を後押しする

心理学者のフィーニーは、パートナーが目標に挑戦するときの支え方を研究しました。困ったときに頼れる安心感がある。そのうえで、挑戦に過度に干渉されずに見守ってもらえる。そうした人ほど、目標に向けて動き出しやすかったのです(Feeney, 2004)。

また、身近な人が「あなたの理想の姿」を信じて接してくれると、人は実際にその姿に近づいていく、という研究もあります。彫刻家が石から像を彫り出すたとえから、「ミケランジェロ現象」と呼ばれています(Drigotas ら, 1999)。

サポーターの条件は「否定しない」だけで十分

ドリームサポーターは、夢を実現した成功者である必要はありません。結論を急がずに話を最後まで聞いてくれる、「おもしろそうだね」と言ってくれる。それだけで、十分な支えになります。

心配しそうな人を、悪者にする必要はありません。その人とは、夢とは別の話題で、これまでどおりつながっていればいいのです。

あなたが、誰かのドリームキラーにならないために

最後に、少し視点を変えてみます。私たちは誰でも、知らないうちに、誰かのドリームキラーになることがあります。大切な人の挑戦を前にすると、心配が先に立つからです。

誰かが夢を話してくれたら、意見を言う前に、ひとつだけ質問をしてみてください。「どうしてそれをやりたいの?」。理由を聞くと、相手の夢の中にある大切なものが見えてきます。

心配を伝えたいときは、「無理だよ」ではなく、「私は、お金のことが少し心配」と、自分の気持ちとして伝えます。そのうえで「応援はしてるよ」と添えれば、相手は止められたのではなく、支えられたと感じるはずです。

夢は、守りながら育てていい

夢を否定されたとき、あなたが揺れるのは自然なことです。揺れながらも、手放したくないと思えるなら、その夢はきっと、あなたにとって大切なものです。

全員に賛成してもらう必要はありません。応援してくれる人が一人いれば、夢は育ちはじめます。その一人は、もしかすると、あなた自身かもしれません。

今日、夢の話をひとつだけ、ノートに書いてみてください。誰にも見せなくてかまいません。書かれた夢は、否定の言葉に流されにくくなります。慣れた場所から一歩出ることについては、コンフォートゾーンとは?抜け出し方と成長の関係も参考になります。

A question for you

あなたへの問い

あなたの夢を、最後まで黙って聞いてくれそうな人は誰ですか?

このメモは、あなたのブラウザの中だけに保存されます。誰にも送信されません。

よくある質問

家族がドリームキラーです。縁を切るべきですか?

その必要はほとんどありません。家族の反対は、多くの場合、心配から生まれています。夢の話をする相手やタイミングを選び、家族とは別の話題でつながっておく、という距離のとり方もあります。ただし、人格を否定され続けるなど、あなたが深く傷つく関係なら、距離をとることも大切な選択です。

ドリームキラーの言うことにも、一理ある気がします。

その感覚は大切です。否定の言葉の中に、見落としていたリスクや準備不足の指摘が含まれていることもあります。気持ちの面と、情報の面を分けて受け取り、役に立つ情報だけを計画に生かしてください。

ドリームサポーターは、どうやって見つければいいですか?

同じ方向に挑戦している人や、すでにその道を歩んでいる人の集まりに顔を出すのが近道です。身近な人の中にも、結論を急がずに話を聞いてくれる人がいるかもしれません。自分が誰かの夢を応援することで、応援し合える関係が生まれることもあります。

自分が誰かのドリームキラーになっていないか心配です。

そう気にかけられる時点で、相手を大切にしている証拠です。相手が夢を話してくれたら、意見を言う前に「どうしてそれをやりたいの?」と聞いてみてください。心配を伝えたいときは、否定の形ではなく「私は〜が心配」と自分の気持ちとして伝えると、相手を止めずにすみます。

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References

  • Feeney, B. C. (2004). A secure base: Responsive support of goal strivings and exploration in adult intimate relationships. Journal of Personality and Social Psychology, 87(5), 631–648.
  • Drigotas, S. M., Rusbult, C. E., Wieselquist, J., & Whitton, S. W. (1999). Close partner as sculptor of the ideal self: Behavioral affirmation and the Michelangelo phenomenon. Journal of Personality and Social Psychology, 77(2), 293–323.
  • Gollwitzer, P. M., Sheeran, P., Michalski, V., & Seifert, A. E. (2009). When intentions go public: Does social reality widen the intention-behavior gap? Psychological Science, 20(5), 612–618.
  • Samuelson, W., & Zeckhauser, R. (1988). Status quo bias in decision making. Journal of Risk and Uncertainty, 1(1), 7–59.
  • 厚生労働省「まもろうよ こころ」

本当の人生を生きる 編集部

コーチング・NLP・心理学の書籍や研究をもとに、自分を知るための知恵を、やさしい言葉でお届けしています。記事は編集方針に沿って作成し、定期的に見直しています。